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「最近、公務がぎっしりとあったからお前も辛かっただろう」
言われてハッとした。そうなのだ。お互い公務が忙しくて、寝る時間さえも削っていた。
「今日と明日ぐらいは、ゆっくりしよう」
「あ……。はい……」
レギンに包まれて、体の力が抜けて行く。どうやら忙しくて、体も硬くなっていたようだ。
その夜はレギンに抱きしめられて眠った。
「お姉――さま!」
エスパルト国に着いて、花嫁の姉という格好を支度してもらってレイーラのところへ会いに行った。
レイーラはこれから花嫁になる、幸せなオーラをまとい微笑んでいた。
「来てくださって、ありがとう! ライラ姉さま!」
私に抱きついて来た。よく顔を見るともう泣いていた。
「レイーラ。その……。ガイル殿下の事は好きか?」
もしかしてガイル殿下の事は好きでもなくて……。嫌で泣いているのかもと思い、小声で聞いてみた。
「いやですわ……お姉さま! 私はガイル殿下を、心からお慕いしておりますわ」
クス……と笑い、レイーラの涙が引っ込んだ。
「そうか。良かった……。綺麗な顔が崩れてしまう。拭いてあげよう」
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