【後日談 2】春風が吹くとき

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 王族に生まれた者ならば、いつかは国の為に有益な嫁ぎ先へと、この身を捧げなければと覚悟をしていた。噂では恐ろしい王と聞いていた。  レイーラをその様な者に嫁がせるならば、と名乗り出たが正直……死を覚悟していた。  敵国だった。なぶり殺されるかもしれないと。だが、思っていたより全然違った。  レギンは私を敬ってくれている。ありがたいことだ。 世の中には女性を、自分の付属品のように扱う者もいると聞く。政略結婚ならば相手の事が分からず、冷めきった関係になる夫婦もいる。  私は恵まれた。  「度数の低い酒を持ってきた。つまみも持ってきたから飲もう」 レギンは酒ビンを私に見せて二ッと笑った。国の王妃に、酒とつまみを持ってきて誘う王がここにいた。  「ありがとう。遠慮なく、飲む」  つまみの乗ったお皿を、砦の見張り台の縁に置いた。肉の柔らかく煮たやつ、ソーセージ、サラミ、野菜ステック、サラダ……。美味しそうだ。  「……これ、レギンが?」 「切ってきただけだが」
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