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私の知らぬ間に、レイーラとガイル殿下は愛を育んでいたのだな。安心した。私はレイーラの涙をハンカチで優しく拭ってあげた。
「お姉さま……ありがとう」
可愛いレイーラ。
「幸せにね」
二人だけの姉妹、抱き合って喜んだ。
「幸せにします」
ガイル殿下が私に話しかけてきた。
「もちろん。泣かせたら許さないから」
周りにいた父王や母、臣下達がもらい涙を流しながら見守っていた。
「肝に銘じて」
「あ、そうそう。お土産があるの。この国を混乱させようとした、おバカさんを捕まえてあげたわ。詳しくはあとで。牢屋に入れておいたから」
「!」
私はにっこりと微笑んだ。
「……ありがとう御座います」
「お時間で御座います――!」
今日の結婚式を仕切っていた人から、レイーラとガイル殿下が呼ばれた。
「いってらっしゃい、レイーラ。ガイル殿下と幸せにね」
「お姉さま、ありがとう……」
二人はしっかりと手を握って会場へと進んだ。
「私達も行きましょうか」
「ああ」
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