【後日談 2】春風が吹くとき

9/10
前へ
/67ページ
次へ
 結婚式は、煌びやかでまぶしいくらいだった。レイーラの純白の衣装と微笑みが美しくて、国民を含めた皆が幸せな気持ちになれた。  「レイーラ様! おめでとう御座います!」 「綺麗です――! レイーラ様――!」  「お幸せに――!」  皆に祝福されて幸せそうだ。ガイル殿下はぎこちないが、頑張って笑顔で手を振っていた。  「幸せそうで、良かった」  長い儀式が終わり、バージンロードを二人で歩いて外に出てきた。  歓声が凄い。  皆が花びらなどを二人に振りかけていた。  「風よ……」  レギンが小声で呪文を唱えると、風が花びらを巻き上げた。  「わあ――! 綺麗!」  近くに居た女の子が楽しそうに言った。  「レギン」  もう。意外とこういう事をしてくれるのよね、レギンは。 「ガイル殿下に、母から預かった飲み薬を渡してきた」  「えっ?」  まさかあの……良く効くけど物凄い苦い、()()を?  動揺していたら、チラリとレギンは私を見て言った。 「大丈夫だ。改良して甘くなっているらしい。近頃、似たような回復薬が街で爆売れしてるらしい」  「それって……」
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

359人が本棚に入れています
本棚に追加