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結婚式は、煌びやかでまぶしいくらいだった。レイーラの純白の衣装と微笑みが美しくて、国民を含めた皆が幸せな気持ちになれた。
「レイーラ様! おめでとう御座います!」
「綺麗です――! レイーラ様――!」
「お幸せに――!」
皆に祝福されて幸せそうだ。ガイル殿下はぎこちないが、頑張って笑顔で手を振っていた。
「幸せそうで、良かった」
長い儀式が終わり、バージンロードを二人で歩いて外に出てきた。
歓声が凄い。
皆が花びらなどを二人に振りかけていた。
「風よ……」
レギンが小声で呪文を唱えると、風が花びらを巻き上げた。
「わあ――! 綺麗!」
近くに居た女の子が楽しそうに言った。
「レギン」
もう。意外とこういう事をしてくれるのよね、レギンは。
「ガイル殿下に、母から預かった飲み薬を渡してきた」
「えっ?」
まさかあの……良く効くけど物凄い苦い、あれを?
動揺していたら、チラリとレギンは私を見て言った。
「大丈夫だ。改良して甘くなっているらしい。近頃、似たような回復薬が街で爆売れしてるらしい」
「それって……」
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