■登場! 正ヒロイン!■

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「食べないんですか? ミカさん」 (よだれたらしながら魚とあたしを交互に見てるし、セナナ) 「そんな気分じゃないから、全部食べていいよ」    食欲なんかないあたしは、力なくそう言った。  それに対してセナナがびっくりした顔をして、お日様みたいな笑顔を見せた。 「本当にありがとうございます!」  キラキラしたヒロインスマイルで口の周りを汚して食べるセナナ。  無邪気だなぁ、可愛いなあ。でも、ライバルなんだよ、この子。あたしの敵なんだよ。 「はあ……」  頭が痛いよ。うううう。こんなんで、うまく正ヒロインとか買われるのかな。悪い子ではないからこそ、不安になる。  ルースがあたしを心配そうに見ているのに気が付いて、あたしはごまかすように微笑を浮かべたのだった。  ああ不安。
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