35人が本棚に入れています
本棚に追加
「食べないんですか? ミカさん」
(よだれたらしながら魚とあたしを交互に見てるし、セナナ)
「そんな気分じゃないから、全部食べていいよ」
食欲なんかないあたしは、力なくそう言った。
それに対してセナナがびっくりした顔をして、お日様みたいな笑顔を見せた。
「本当にありがとうございます!」
キラキラしたヒロインスマイルで口の周りを汚して食べるセナナ。
無邪気だなぁ、可愛いなあ。でも、ライバルなんだよ、この子。あたしの敵なんだよ。
「はあ……」
頭が痛いよ。うううう。こんなんで、うまく正ヒロインとか買われるのかな。悪い子ではないからこそ、不安になる。
ルースがあたしを心配そうに見ているのに気が付いて、あたしはごまかすように微笑を浮かべたのだった。
ああ不安。
最初のコメントを投稿しよう!