■目が覚めたらほんとの世界の中だった■

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「あたしが、救うから。ルースを幸せにしてあげるから」  そう、絶対に。  あたしはバッドエンドから逃げてやる。あたしだけじゃなく、ルースを含めて幸せな世界に変えてやる! そのために、ルースはあたしを呼んだんでしょう? 「美加ぁ」 「大丈夫だから、ね?」 「あのね、美加は本当はこの世界に生まれたのに……ミカに乗っ取られてしまったんだ」 「え……? どう言う事?」 「ミカの正体は、悪魔」 「悪魔?」 「本当は、こんな世界じゃなかったけど……この世界をゆがませた悪魔」 「ミカは今、どこに」 「わからない。それはボクにもわからない。美加が戻って来てくれたのが初めてだから」  つらそうな声でルースは続ける。  ゲームの中でも、ルースはいつだって辛そうで。  悪役なのに、悲しそうな顔をしていたね。  それは、こんな理由があったからなんだ。 「本当は、皆と仲良く幸せに逝きたい」 「……ルース。頑張ろう? あたしと一緒に、頑張ろうよ」 「ずっと、寂しかったよ美加……」 「あたしも会いたかった。すごく、会いたかったよ。日本で生きていて、むなしかったから」 「美加ぁ」
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