■登場! 正ヒロイン!■

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「あっ……あたし泳げないっ」 「何やってんの二人とも!」 「ルース、助けて!」 「ああもう、ミカのバカ……反射で飛び込んじゃダメだってば」  セナナを抱きしめながらあたしはバタバタする。  で、もってだ。なんか違和感。  あたし、何かを踏んでる。 「きゃああああ」  魚だ。ビックリしたあたしはとっさに飛び上がる。  魚を、足でけったのだ。大きな魚だったから……近くにある気にしがみつきそのままルースに助けてもらう。すると、魚はあたしが踏みつけたせいで浮いていた。 「大丈夫? って……何この高級魚。何で浮いてるの? ミカ」 「……あたしが、踏んだ魚だと思う」 「この魚美味しいんだよね……そしてめちゃくちゃ高級」 「あの、すみませんでした。ぐうう」 「セナナはお腹がすいてるままだったね。ルース、このお魚焼いて食べよう?」 「そうだね。重くて持って帰れもしないし」 「いいんですか!」  セナナはよだれを垂らさんばかりに食いつく。  この魚、よくあたしの家では出てきたような気がするけど、高級魚だったのか。  あたし、普段からいいもの食べてたんだなぁ。
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