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「あっ……あたし泳げないっ」
「何やってんの二人とも!」
「ルース、助けて!」
「ああもう、ミカのバカ……反射で飛び込んじゃダメだってば」
セナナを抱きしめながらあたしはバタバタする。
で、もってだ。なんか違和感。
あたし、何かを踏んでる。
「きゃああああ」
魚だ。ビックリしたあたしはとっさに飛び上がる。
魚を、足でけったのだ。大きな魚だったから……近くにある気にしがみつきそのままルースに助けてもらう。すると、魚はあたしが踏みつけたせいで浮いていた。
「大丈夫? って……何この高級魚。何で浮いてるの? ミカ」
「……あたしが、踏んだ魚だと思う」
「この魚美味しいんだよね……そしてめちゃくちゃ高級」
「あの、すみませんでした。ぐうう」
「セナナはお腹がすいてるままだったね。ルース、このお魚焼いて食べよう?」
「そうだね。重くて持って帰れもしないし」
「いいんですか!」
セナナはよだれを垂らさんばかりに食いつく。
この魚、よくあたしの家では出てきたような気がするけど、高級魚だったのか。
あたし、普段からいいもの食べてたんだなぁ。
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