やはり無理ですか?

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「いたたた。」 苦しそうだ。何とかならないのか? 助産師さんが来た。 「子宮口が5センチしか広がってないから、まだまだですね。」 えー! こんなに苦しがってるのに… 無痛分娩とかにしなかったのか? 今からでもしてもらおう。 「彩、無痛分娩にしょう。」 「余計なことしないで!」 いやいや苦しいだろう。 無痛は楽だって聞いたことがある。 彩が苦しんでるのを見てられない。 「もう、あっちに行ってて!」 お義母さんとチェンジしました。 あ〜気が揉める。 お義父さんはウロウロと落ち着かない。 それから2時間後… 分娩室に呼ばれた。 「はい、りきんで!」 先生が声をかける。 俺の方が力がはいる。 「はい、もう一回ね。 ゆっくり呼吸して、はい、いきんで! そうそう上手、もうすぐですよ。」 スルッと下から出てきた。 オギャーオギャー泣いた。 俺も泣いてます。 「はい、元気な男の児ですよ。」 もう、嬉しくて涙が止まらない。 彩、頑張ったな。 「彩、ありがとう。」 そう言うのが精一杯だった。 後から、泣き虫男とからかわれるとは思わなかった。
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