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人生とは、ロウソクのようである。
そんな言葉を何処かで聞いた事があるけれど、まさにその通りだと思ったねぇ。
だってさぁ、私の命はもう間もなく、亡くなるんだよ。
そんな私に奇蹟が起こったのはね、本当に燃え尽きてしまう前だったのさ。
そう、ロウソクの火が燃え盛りいつか消えてしまうように、立て続けに奇蹟が起こったのは、ほんの数日前だったのさ。
ねぇ、私はもう死ぬからさ、だからほんの少しだけ付き合っておくれよ。
煩い婆の戯言だと思ってくれても、良いからさ。
で、ね。
その肝心な奇蹟っていうのはさ、もう何十年も前に捨ててしまった娘と、数日前に再会出来たって事なのさ。
そうよ、よくある話さね。
そうだよ。多分あんたにとっちゃ、よくある話と聞き流す類なんだろうねぇ。
でもさ、私は嬉しかったのさ。
出会った娘と最期に食事してさ、笑顔で別れてねぇ。
それで、その時にね、その娘が教えてくれたんだよ。
来月結婚するんだってさ、長年付き合っていた男性と。
嬉しかったなぁ、娘も幸せになれるんだって思って。
子供の頃は苦労しただろうに、私のせいでさ……。
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