4人が本棚に入れています
本棚に追加
初めて味わった味だった。
上手く説明出来ないが、複座な味だった。
でも、何か……。
あと少しで記憶から思い出せそうだが、思い出したくないような複雑な心境になった。
でも、もう一口飲みたい。
僕は、コーヒーカップを持ち上げようとしたとき違和感に気づいた。
机の上に、水滴が溜まっていた。
でも、お冷やは常温だったから水滴が溜まるはずがない。
コーヒーもアイスではなかった。
だったら、これはどこからきたのだろう。
僕は不思議に思った。
しかし、こんな夜に小さな店が開いている時点で不思議だった。
だから摩訶不思議なことが起こっても仕方がないと割り切り切ることにした。
手に持ったままのコーヒーカップを持ち上げた。
口元に持っていくと頬が濡れていることに気づいた。
泣いていた。
机の上にあった水滴は自分の涙だった。
最初のコメントを投稿しよう!