第1章3節 初日からやらかしました。

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 入学式後早速やらかした俺たちは、保護者や教員の目を無視して1年B組の教室を探しに走った。  二手に分かれて探すことにしたものの連絡手段がなかったことに後から気付き二手に別れた事を後悔しながら校内を走り回っていた。  5分ほど走り回っていると、1-Bと書かれた札がある教室にたどり着いた。 「すいません遅れました」  息を切らしながら急いで扉を開けると、クラス全員がこっちを見た。  うわーすげぇ恥ずかしいからこっち見ないでください……。 「君が旭川くんね。初日から急にいなくなるなんてあなただけですよ」  あれ、遅れたの俺だけなの? 2番の綾部とかいうやつは? 「あと、入学式中の事について話があります。HR後残りなさい」  あーやっぱり呼び出しされるよねー。クラスの前で呼び出し食らったの初めてだな。そもそも呼び出し食らったのも初めてだけど。 「とにかく、これからはちゃんと指示に従ってくださいね」 「はい。すいませんでした」 「旭川くんの席は最前列の一番窓側です。HRもう始めてるから早く座って」  適当に謝ってから席に座ろうとすると、後ろで奴がニヤニヤしながらこっちを見ている。この野郎絶対に許さねぇ。 「いやー二手に別れた後すぐに見つかってさ、まだみんなが座ろうとしてるときだったおかげでバレずにすんだんだよ。教えようかと思ったけど連絡手段なくてさ。ごめんごめん。残念だったな〜」  最後の言葉完全に余計だな。こいつ絶対俺に教える気なかっただろ。この野郎……。しかもニヤニヤしながら言ってくるのが余計むかつく。 「まぁ女の先生だからいいじゃん。怒られたってご褒美みたいなもんだろ?」 「良い訳ねぇし説教がご褒美とかどう考えたらそうなるんだよ。説教なんて呪文でしかねぇだろ」 「怒られたって怖くないだろうし、あの先生若いし結構かわいいじゃん?」 「お前の思考いかれてんな。適当に聞き流してはいはいごめんなさいって言わないといけないのだるくないか?」 「まぁとりあえずよく見てみろよ?結構かわいいか……あっ」  そういえば先生の顔まだちゃんと見てないなと思って前を見るとそこにはこめかみに青筋を浮かべ、こっちを睨みつける鬼の様相を呈した先生がいた。  うわーめっちゃ怒ってるじゃないですかー。全く可愛くないじゃないですかー。 「綾瀬くん。あなたもHR後残りなさい」 「はい……」  あ、こいつ綾部じゃなくて綾瀬っていうのか。
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