第1章4節 初日の帰り道

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 途中でぐずる変な奴を払って快速に乗り換え最寄り駅である下大岡に到着し、夏島までの定期券とちょっと文具を買ったりしていたら帰宅するころには空はすでに暗くなってしまっていた。 「ただいまー」 「邪魔」 「あっはい」  リビングに入った瞬間邪魔者扱いされた。俺に対していつも邪魔としか言わない奴はこの家に一人だけだ。超自己中心的なわが妹。旭川晴香である。  ちなみに母親の場合は「ちょっとどいて」、父親の場合は「邪魔だよどけ」と言われる。  どうせ1階にいても邪魔者扱いされるだけなので2階にある自室に移動しバッグと制服の上着を脱ぎ捨てる。そしてベッドに飛び込もうとした時、制服のズボンのポケットに何やら紙きれが入っていることに気づいた。  ……これはなんだ?紙切れなんて入れた覚えないんだけどな。  取り出して確認してみるとそこには、 「明日7:50に金沢台駅待ち合わせ。よろしく!! 綾瀬」  ……あいついつの間にかこんなものを入れやがったのか。ていうか俺朝乗ろうと思ってる電車快速だから金沢台止まらないし各駅停車に乗っても多分集合時間には間に合わだろうなぁ。  俺は紙切れを見なかったことにしてゴミ箱にポイと捨ててベットに飛び込む。  はぁーーーー最高。これが1日の中で最も幸せな時間である。  なーんか今日の事はどうでもいいやー。さっさと風呂に入ってから今日はもう寝てしまおう。
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