第1章6節 2日目も駄目でした。

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 仕方なくクソ野郎の走るスピードに合わせて走った結果、正門をくぐるころには既にSHRが始まる時間を過ぎており、正門付近には誰もいなかった。 「旭川、もう遅刻してるんだし諦めて歩いてこうよー」 「俺は遅刻が確定していたとしても遅れる時間はなるべく短くしたいんだよ。さっさと走れ」  出来るだけ早く教室に向かおうとしたが、愚図るクソ野郎のせいで教室に到着するころにはSHRが終わる時間になってしまった。  教室にやっと着いた俺たちはすぐにドアを開け先生に謝ろうとしたが、教室内に先生はおらず、ただ生徒が静かに着席しているだけだった。  あーこれまだ先生来てない感じっぽいな。これ遅刻したのバレずに済むんじゃね。 「よっしゃ旭川、先生はまだ来てないから遅刻したのバレずに済むぞ!」 「よかったな、お前の命日が今日にならなく……」  文句を言ってやろうと後ろを向いた瞬間、後ろにはものすごい鋭い目つきでこっちを睨む先生がいた。やべぇ先生昨日よりも怖いよ。  俺が固まったことで察したのか奴も後ろを振り返る。 「旭川くん、綾瀬くん。遅刻ですよ?」  多分こいつと出会ってから始めて同じ言葉が頭の中に出ただろう。  ーーー終わった。 「「遅刻してすいませんでした」」  すぐに二人で謝ったものの、先生の怒りは静まらなさそうだった。 「昇降口で靴を履き替えるているときから見てましたが、遅刻しているにもかかわらずなぜ急がないんですか?」  昇降口にいるときから見られてたのかよ。全然気づかなかった……。 「残りはあとで話すので、今は早く座りなさい」  まさか2日連続でクラスの前で怒られて呼び出しを食らうとは。こいつ絶対許さない。
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