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教室内が席替えをするために机を移動させているせいで騒がしくなっている中、俺とはぼーっと机を移動しているのを眺めていた。
「にしても俺も旭川も同じ席とかすごい確率だよな~」
……それあと何回言うつもりだよ。朝の星座占い魚座12位だったしもう今日はいいことないんだろうな。あと何日この席でこいつに話しかけられるんだろうか。
そんなことを考えて憂鬱な気分になっていると、右側から女子の明るい声で話しかけられた。
「あ、あの時はありがとう」
こっちは憂鬱な気分なのに誰だろうか。まさか奴の裏声じゃないだろうななんて思いながら声のする方を見るとどっかで見たような顔がいた。身長は女子の平均的くらいでポニーテールとかいう髪型をしている。
「えっと、、誰だっけ?」
「あー入学式の時に席を教えてもらったんだけど覚えてる?」
……入学式の時隣の奴と隣が男子か女子かの賭けをしてるときに席を聞いてきた人か!すっかり忘れていた。
「ごめん今思い出した。あの後ちゃんと席に座れた?」
「うん。あの時は助かったよ。ありがとう」
「どういたしまして」
おお、俺女子相手だけど割と普通に話せているじゃん。中学の時から大幅に進化を遂げている。そもそも中学の時は女子と話したことがなかったけど。
自分の成長に満足していると後にいる奴は賭けの事しか考えてなかったくせに俺を裏切り者のような眼で見てきながら、
「おい旭川、こんな女子いたっけ?まさか貴様俺を置いて先にリア充になる気じゃないだろうな?」
「そうだな。賭け事しか考えて無い奴よりかは先にリア充になれそうだ」
「この裏切り者~」
奴はこのことを許す気はないのか後ろからポコポコと肩をたたかれている。正直キモいからやめてほしい。
「ふふっ、羨ましい」
その女子は心の底から羨ましいと思ってそうな笑顔をしていたが俺にはなぜそこまで羨ましがるのかは理解できなかった。
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