第1章9節 部活どこに入ろうかな

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「はい。では今日の授業は終わりです。今日から部活動体験期間なので各自興味のある部活の見学をしてみて下さいね」  ……部活か。そういえばどこにしようか結局決めてなかったな。どこに見学に行こうかまだ決めてないんだよな。 「旭川~一緒に部活動見学行こう~どうせ旭川は部活動見学行く場所決めてないだろ?」  こいつとは回りたくないなぁ……。ていうか俺が部活動見学の行く場所決めてないのなんでわかったんだ。 「いや俺お前と部活見学とか絶対嫌だし俺が行く場所決めてないの押し付けんな」 「じゃあどこに行く気なんだ?」  ……そういえばこの学校って何部があるんだろ?こいつに話しかけられる前に配られた部活動一覧表を見ておくべきだったな。 「よし、決めてないなら一緒に行こう!」 「嫌だ。お前といるとろくなことがない」 「よし行くぞ~」  奴は俺の腕をつかんで強引に俺を連れていくつもりらしい。もしも奴に腕をつかまれてしまえば抵抗したところで離してくれないだろう。早く奴から逃げなければ。 「いや俺1人で回るから」  とりあえず歩きながら気になった部活の見学でもすればいいだろう。そう思いながら教室を出ようとした瞬間、奴は悪役のような顔をしながら 「本当に一人で回る気なのか旭川?部活見学なんてみんな何人かで行ってるぞ?みんな誰かと回るのにお前は1人で見学しに行くのか?」  ……確かにみんな何人かで回りに行くようだ。見学から1人で行くとか入部後の事考えるとちょっと嫌だな。 「今なら俺という奴が暇だぞ?」 「だけど俺はお前みたいなのと回るとか嫌なんだが」 「いや、俺は見学を少しするだけで体験とかはするつもりないし誰かと回れば中学の時興味なかった部活が案外面白そうだったりするかもよ?」  うーん確かに興味が湧いてくる部活があるかもしれないし体験を一緒にしないなら何かやらかす不安もないからこいつが一緒にいた方が一人よりかはましなのかもしれないな。 「わかった。一緒に回るか」 「よし!今日は運動部全部回るぞ!」  は?いや1日で運動部全部とかめんどくさいし無理じゃね? 「おーい旭川いくぞ?」 「いやちょっと待て1日でそんなに回れるわけないだろ?」 「いや体験をしないで見るだけならできる。予定もきっちり立ててあるから安心しろ」  だから体験はしないって言ったのかこいつ。体験しないならいいだろうと思ったけど運動部全部回るとか俺の体力が持つ気がしない。 「よし出発だ旭川!まずは陸上部からだ!」  ……やっぱり1人で回ることにした方がよかったな。
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