第1章11節 生徒会

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 目を覚ますと、外は既に明るくなっているのかカーテンの隙間から日差しが差し込んでいた。  ああ、朝が来てしまったか。  今週5回目くらいの感想が出てからとりあえず学校に行く準備をし、決めた時間のバスに乗る。そこでやっとスマホを開くと、メモに「生徒会 もう一度見学 考えておけ」と表示されておりやっと昨日の放課後の事を思い出した。  まぁ生徒会の事はあとで考えればいいやなんて思い英単語帳を見ながら通学していると聞き慣れた、いや聞き慣れてしまった声で呼ばれた。 「おはよう旭川。通学中に勉強なんて偉いな」 「今日の英語で単語テストあるだろ?初回から低い点数は取りたくないからな」  生徒会の話でも振られるかと思っていたが教室に着くまで奴は生徒会の話をする事はなかった。  そういえば楢原さんは何故俺に生徒会に入って欲しいなんて頼んだのだろうか。別に部活くらい友達誘えばいいのに。  ずっと生徒会の事を考えていたせいか今日は時間が過ぎるのが早く感じ、気づけばもう帰りのSHRが始まっていた。  今日の部活動見学、生徒会にいくつもりだけど俺一人で行くのはちょっと抵抗がある。楢原さんは今日も生徒会にいくのだろうか。  少し前から楢原さんはちょっとこっちの方を気にしている様子。聞くなら今だろうか。  聞こうとした瞬間昨日生徒会に入って欲しいと頼まれた時の事を思い出した。  そういえば楢原さんはなんで俺一人に生徒会に入る事を頼んだのだろうか。  奴を生徒会に引きずり込めば奴は俺の事を道連れにしようとするはずだからそうした方が楢原さんにとって楽なはず。奴が中学の時何かやらかした事があって奴の事が嫌いなのだろうか?  仮に楢原さんが奴に生徒会に入って欲しくない、または俺が生徒会に入る事を知られたくないとか思っていたとしたらここで生徒会の話をしない方がいいのだろうか。  ここは一旦帰ると言って一人で生徒会室に向かう事にしよう。
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