第1章11節 生徒会

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 一緒に文化部全部回ろうなどと誘ってくる奴に今日は帰ると嘘をつき、奴と別れてから生徒会室に向かうと、既に何人か来ているのか中から話し声が聞こえた。  改めて生徒会室、と書かれた部屋の前に立つとなぜか物凄く緊張してしまった。落ち着け、別に悪い事はしてないんだから大丈夫、と心に言い聞かせながら勇気を出してノックをして入室する。 「失礼します」 「あっ旭川くんだ!予想全員あたったね!」  予想全員あたったって何俺が生徒会に来るかで楢原さんと守口先輩で予想でもしてたの?  ……いや待てなんか嫌な予感がする。 「やっぱり生徒会に来たのか。俺の予想通りだったな旭川」  嫌な予感、当たってしまった。ていうか何でこいついるの。  状況があまり良く理解出来ず扉のとこで固まっていると楢原さんが笑いながら説明してくれた。 「昨日たけちゃんがトイレに行ってる間に綾瀬くんが明日旭川が生徒会に見学に来るかどうかで賭けをしようって提案してきてみんなでする事にしたの」  ……えっ?俺がトイレ行ってる間にそんなことみんなで決めてたの。 「えーっとじゃあ昨日俺一人に生徒会に入って欲しいって言ったのは?」 「それは綾瀬くんと一緒にお願いしたら断られそうだったから。でも生徒会に入って欲しいって思ってるのは本当だよ」  ……えーなにそれ意味分かんない。今日一日中考えて消費した体力なんだったの。 「今日も来てくれてありがとう旭川くん。とりあえず座って」 「ありがとうございます」 「やっぱ俺は旭川の事をよく理解してるし友人だよな」 「は?お前川に落とすぞ?」 「やっぱりたけちゃんと綾瀬くん仲良いじゃん」 「いや絶対良くないからこんなのと仲良くないから!」
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