第1章11節 生徒会

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 目が覚めて時計を見ると既に13時を過ぎており、いつもよりも6時間も長く寝てしまった事に気付く。  やはり土曜日というものは最高だ。学校から解放された喜びと明日も休みだから夜になってもテンションが下がる事はない。これはもう国民のために毎日を土曜日にするべきだ。子供だってド○えもん見れるから楽しいだろう。  そんなくだらない事を考えながら1階に行き歯を磨いたりしている時に昨日の放課後の事と一昨日の放課後に言われた事を思い出した。  生徒会に入るか入らないか。  楢原さんは既に生徒会に入っているそうだがまだ奴は考え中らしい。昨日の帰りに守口先輩に「募集はいつでもしてるし入るかどうかはゆっくり考えてから決めてね。本当大変な仕事だから」と言われているため考える時間はたくさんある。  昨日生徒会室で聞いた仕事の量は到底一人や二人で出来るものでは無かった。もしも生徒会に入れば放課後は毎日完全下校を過ぎる時間まで仕事したり土日も毎日登校することも時期によってはあるらしい。 「それでも生徒会に入りたいって思うならまた来てね」  守口先輩から真剣に言われた時は俺も奴も一昨日の様に明るく振る舞えなかった。  その後学校から帰る時から何をしたかあまりよく覚えていないが多分奴と一言も話さず帰り、そのまま寝たのだろう。  部屋に戻りぼけーっとして時間を過ごしていると、部屋の扉をノックする音が聞こえ、そのまま扉が開かれた。 「夜ご飯作るけどお前食べる?」  旭川家で俺の事をお前と呼ぶ奴など妹の旭川香奈しかいない。 「ああ、もうそんな時間なのか。じゃあ食べようかな」  返事をするとパタン、と扉が閉まる。最近は俺が何か言っても大抵返事をしてくれない。けれどわざわざ俺の所に聞きに来てくれたり俺の分のご飯も作ってくれる優しさはまだ残っている。年頃の女の子ってよく分かんないね。  ふと時計を見ると既に18時を過ぎており、今日は何もせずに過ごしてしまったと後悔してしまう。  ご飯が出来るまで何をしようかと考えながらスマホを開くとちょうどLINEの通知が表示された。  通知をタップし開くと、奴からのメッセージが表示された。 「明日会えないか?話したい事がある」
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