第1章11節 生徒会

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 奴から会えないかと言われた次の日、俺下大岡駅の改札で奴を待っていた。俺がそっちに行こうかと言ったが奴は俺が行くと言い張ったからだ。  集合の5分前になると普通電車が来たようで改札にある発車標の普通品川の文字が消える。それと同時に沢山の人が上りホームから降りてくる。その人混みの中に奴の姿を見つけた。 「おはよう。休日なのに呼び出しちゃって悪いな」 「いや、土日はいつも暇だから大丈夫だ」  お互い挨拶を済ませたものの俺は何を話せばいいのか分からず黙ってしまった。  とりあえずどっかで話さないかという奴の提案を受け俺たちはサイゼリヤに入りまたドリンクバーを頼んでジュースを飲んでいた。  流れとしてはこれから奴が話し始めるのだろうが奴は緊張しているのかさっきからずっとジュースを一気に飲み干し取りに行き、また飲み干し……と繰り返している。  奴がドリンクバーから戻ってきてまた一気飲みしようとしていた時、俺は仕方なく自分から話を振ることにした。 「それで、話って何?」 「あ、ああそのことか」  奴は肩をピクッと震わせ答えるがそんな驚く事だろうか。というかこんな感じ前にもあったような。 「いや、、その一昨日の事なんだけどさ」 「ああ」 「……」  一昨日の事が何なの?なに生徒会入ってくれってこいつにも言われるのか俺?  そんな事を考えながら奴の方を見ると奴はやっと決心がついた様子で口を開いた。 「一昨日、お前の事で賭けるごめん。俺のせいで生徒会には入りませんって言いづらくしたよな」  なんだそのことか、と心の中で思ったがこんなにきちんと謝られるとは思っていなかったので驚いていると奴はさらに謝罪を続けた。 「本当に悪かった。先輩には俺が謝るから許してくれ」  こんな謝られ方をされた事がなかった俺はどういう対応をすれば良いのか分からず黙り込んでしまった。 「もう何言われても俺が悪いから罵倒でもなんでもしたいならしてくれ」
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