30日チャレンジ(抜粋)

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【現代版神話】 「本日はお集まりいただきありがとうございます。つきまして我が組織カミーダについてご説明させていただきます。まずは代表の――」  高級ホテルの大きな会場で、きらびやかなパーティーが開かれていた。大柄の男がパツパツのTシャツをきて壇上に上がると、会場は拍手で包まれた。二人の青年もまた、なんとなく拍手をする。 「彼が水の神の生まれ変わりかな」  ライトブルーのドットシャツを着た茶髪の青年は、入り口で出会った青年に尋ねる。 「どうだろう、その割にビビッとこないですね」  黒髪の、青いジャケットを羽織った青年は淡々と答えた。ドレスコードは青なのだ。 「胡散臭いパーティーだと思ったけどまさか色の神に会うなんて」  それだけで来たかいがあった、と続けた。二人は自分が神である、という夢をよく見る。全く知らなかったのに、受付で会った瞬間ビリリと背中に電流が走った。そして「ああ、夢で会ったな」と気付いた。 「僕も驚きましたよ。まさか重力の神がこんなに今どきな風体だとは思わなかった」  あはは、と重力の神は上品に笑った。 「――以上です。それでは皆さん、パーティーを存分にお楽しみください」  わあっとまた拍手が上がる。 「そういえば自己紹介がまだでしたね」  拍手をしながら色の神が言った。 「僕はシキムラカオル」  すっと手を出す。 「俺はオモハラダイキ」  よろしく、と握手をした。 「あまり夢を持ち込むと帰れなくなるよ」 「え?」  雑音に紛れて声がした。 「カオル、どうしたの」 「いや、なんでも」  ダイキには聞こえなかったようだ。今のはきっと、他の神だ。このパーティー、ざわついた感じがする。カオルは手に取ったシャンパンを一口飲み、舌の上でチリチリ転がる泡で誤魔化した。
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