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「勇者よ。今の時点で主力モンスターのほとんどをワシが手にした。今更後悔しても遅いぞ」
「どうやらお前はまだ、あの最強モンスターを忘れているようだな。そいつさえ手に入れば問題無い」
「なに?」
いよいよ残りニ回となった九巡目。
魔王『ゴーレム』
※魔力を与えられた土人形。土とは言え鋼鉄並の強度を誇る歩く要塞。
(奴の言う最強モンスターとは一体……)
勇者『スライム』
※粘液状で不定形の体を持つモンスター。
「何故ここにきてスライム!? 貴様はスライムを手に入れ何をするというのだ!?」
「魔王よ。お前こそ魔王の癖にスライムの恐ろしさを知らないとはな」
「な、なんだと?」
「奴らは意思を持った流動体。一度顔に張りつけば相手が窒息するまで離れない。なによりあのヌルヌルボディが気持ち良……戦闘意欲を喪失させる。こんな有能な奴を手放すなど考えられんな」
上から目線で力説する勇者に、魔王はギリッと奥歯を噛んだ。
(このまま最後まで奴の思惑通り事が運ぶのは癪だ。こうなれば奴の指名を予想し邪魔してくれる……!)
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