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モンスタードラフト、一巡目。魔王と勇者は指名するモンスターの名前を紙に書き記し、それぞれ提示した。
魔王『ドラゴン』
※蛇とトカゲを合わせたような大型モンスター。硬い鱗と牙を持ち、巨体に似合わず空を飛び、口からは灼熱の炎を吐く。
(こいつは真っ先に獲得しておきたい。能力的にはずば抜けて高いが知能はさほど高くない。だから勇者のやつに簡単に手懐けられてしまう恐れがある。勇者の方も間違いなくこやつを指名するだろうが、クジ引きなどワシの魔法でインチキすればよい。悪いな、勇し)
勇者『サキュバス』
※夢に現れるという女性型悪魔。別名“淫魔”と呼ばれ男を誘惑し生気を吸い取る。
「……は?」
「よし、被らなかったな。では次だ」
「待て。サキュバスだと? いきなりそのようなモンスターでよいのか?」
「ああ。こいつでいい」
(勇者の奴め……何を考えておる。もしやサキュバスに他のモンスターを誘惑させ配下にする気か? それなら裏切ることなく絶対服従するからな。フン、少しは考えたようだな。だが、そのためには貴様がサキュバスを手懐けねばならんのだぞ。女っ気の無さそうな貴様に手懐けられるとは到底思えんな)
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