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 そうこう話をしているうちに運ばれてきたのは、美味しそうな料理の数々。鮮度の高い刺身や、身がプルプルのカニ。茶わん蒸しなど、目移りしそうな豪華なものばかり。 「食べながら話そうか」  父にそう言われ、箸を持つがどれから食べようかと迷う。刺身を一切れ取りちょんと醤油につけ口に運ぶと、見た目にも新鮮そうな刺身は目を瞠るほどおいしかった。  そうして料理を楽しんでいると本題に入ることを忘れ、他愛のない話で盛り上がりながら箸を進めていた。ハタと気付いたのは、料理もほとんど食べ終えそろそろデザートに取り掛かろうかとしたところだった。  すっかり、本題を見失っていたことを恥じながらも、初めから切り出していたらこれだけ美味しくは頂けなかっただろうと気を取り直す。料理を無駄にするよりはよかったのだと。 「あの、話っていうのは・・・・・・」 「ああ、そうだったね。うん。話してみなさい。話しづらいことなのか?」 「話しづらいというか・・・・・・」  俺は、持っていたスプーンを置き、両手を膝の上に置いて拳を握った。
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