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「そうかなって思ったけど、勉強のレベル高いし、僕には夢があるから」
「夢?」
「医者になるって夢。ここにはさ、医者の息子だっているでしょ。仲良くなっていろいろためになる話とか聞けたりもしたりしてって下心もあったし。まぁ、仲よくはならなかったけど、勉強の質は本当にいいから来てよかったって思ってるよ」
「まぁ、設備とかもやばいくらい充実してるからな。その分学費もバカになんねぇけど」
「うん。だから、親には医者になって働き出したら絶対に返すって約束してるんだ。だから、どうにかしても実現させなくちゃ」
その目はとても輝いていて眩しくて直視できなかった。俺には、そんな強く誇れるような夢なんてない。ただ、与えられた道を、そのレールの上をよそ見をせず真っ直ぐ歩いていくだけ。
金持ちのなにが偉いんだろう。なにが幸せなんだろう。
こんな風に夢があって、直向で、真っ直ぐ突き進んでいる奴の方が、偉くて、かっこよくて、幸せなんじゃないだろうか。
「そっか。頑張れよ」
羨望のこもった声になった。
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