至理7 陰陽の巡り

1/1
前へ
/30ページ
次へ

至理7 陰陽の巡り

○素女経 至理7 《玄女經》は云えらく:黃帝(こうてい)玄女(げんじょ)に問うて曰く:「吾れ、素女(そじょ)の陰陽の術を受け、自ら法を有したるなり。願うらくは之を覆命し、以て其の道を悉くせんことを」と。玄女は曰く:「天地の間は須く陰陽に動き、陽は陰を得て化し、陰は陽を得て通ず。一なる陰に一なる陽は相い須らく行かん。故に男の堅強なるを感じ、女は辟張なるに動ず。二なる氣の交精せるに、流るる液は相い通ず。男に八節有り、女に九宮有らば、之を用うるに度を失わば、男は痈疽を發し、女は月經を害さん。百病は生長し、壽命は消亡す。能く其の道を知り、樂しみ且つ強まらば、壽は即ち增し延び、色は華英なるが如し」と。 天地のあらゆるルールは、 陰と陽との混交により生じる。 陽は陰を得て成長し、 陰は陽を得て通じる。 これは一対のものであり、 互いが補い合う性質を持つ。 男が女を見て勃起し、 女は思う男とのセックスを思い、濡れる。 これらの思いが絡み合うがゆえ、 男女は互いの精気を 循環させうるのである。 ここで、男には守るべき 八つの節度があり、 女には守るべき九つの決まりがある。 これらを見失わば、 男にはできものが出来、 女は生理不順となり、 数多の病を招き、寿命を縮めよう。 それらのルールをわきまえれば、 よりセックスライフは充実し、 男はたくましくなり、 女はあでやかとなるであろう。 ちなみに、八つの節度、 九つのルールとは? ナイショ、である。 ○崔浩先生、曰く 土屋英明(つちやひであき)氏「中国の性愛術」にては、 八節を「男のインサートのしかた」 九宮を「女の陰門の各名称」 なのではないか、と推測なされている。 この部分については 推測の堀下げをしようがないので、 ここでは土屋説に従い、 八節九宮を紹介しておこう。 ・八節 上下・左右・深浅・速遅、 以上八種の抜き差しの技法。 ・九宮 「養生方」と言う本に、  12か所の名称があった、と言う。  うち判読できるのは6か所。  具体的箇所の比定は  難しいところであるが、  記述情報から推測すれば、  1:赤珠(せきじゅ)……陰核包皮  2:笄光(けいこう)……膣前庭  3:琴弦(きんげん)……膣内三センチほど  4:臭鼠(しゅうそ)……クリトリス  5:麦歯(ばくし)……小陰唇  6:谷実(こくじつ)……膣内十センチほど  と、言った辺りになるであろうか。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加