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46.希望1 ※
智の赤くなった目に俺が映っていた。
「智…。」
ちゅっ、くちゅっ、ちゅー。
「ん…くちゅっ…んん…。」
何度も何度も繰り返す。
それは柔らかくて…甘かった。
愛してるんだ。
智も俺を…
だからもういい。
智が落ち着いて話せるようになったら聞くから。
スエットの上をまくり上げて、晒された小さな淡い尖りを啄むと、智の軀がビクッと震える。
『あ…やぁ…優…。』
ぴちゅっ、
音をたてて離した。
「ホントに嫌…?」
そんな意地の悪い質問に智がゆっくりと首を振る。
怒った風もない。
ただ濡れて妖しく光った眸が、切なげに俺を見上げいた。
一気に腰に熱を感じて、メチャクチャに貪りたくなるのを、必死でこらえていた。
「腕あげて…。」
『…。』
無言のまま、両腕が万歳の形にあげられる。
すぐさま抜き取り胸にむしゃぶりついた。
「ぴちゅっ、ぴちゅっ、ぱちゅっ…。」
『あ…はぁ…。』
気持ちよさそうな聲に押されて、尖りを噛んだり舐めたり弄繰り回す。
乱暴な自覚があったが止められない。
『はぁ…あ…ゆ…う……。』
そんな俺の心配をよそに、智は可愛い聲を漏らしていた。
不意に、裾が引っ張られた。
「ん…?」
『脱い…で…。』
万歳の格好をして見せると、智がよろめきながら膝立ちになる。
俺の上を脱がそうと、ふらふらしながら躍起になっていた。
なんとか優の服をはぎ取って放り投げると、はっきりとした綺麗な顔が現れた。
下から俺の軀に腕を回しながら、その目が眩しそうに細められる。
俺を愛おしそうに見てくれる。
愛おしい優…
ゆっくりと額から頬を撫でた。
しっかりとした輪郭に目鼻立ち…
相変わらず毛が濃くて長くて素敵だ。
膨らんだ柔らかそうな唇を、指先でそっとなぞって、そのまま口づけた。
想いを込めて口の中に含んでいく。
くちゅっ…
「好き…。」
智が告げると、優がニヤリと笑った。
「好きなだけ…?」
『ふふっ…。』
イタズラを仕掛ける悪い顔だ。
でもカッコいい。
腕を肩に回した。
近距離で見つめ合う。
「あ。」
『あ…?』
「い。」
『い…?」
「し。」
『し…?』
「て。」
『て…?』
「…ふふふっ。」
『続きは…?』
「うふふふっ。」
『智…?』
ちゅっ、
最後の一文字を言わないで優にキスする。
ちゅっ、
『…最後の一文字。』
「聞きたい…?」
『聞きたい。』
甘い目が見つめ返していた。
「愛してる………優。」
『智…ちゅー。』
俺は優が押さえてくるままに倒されていた。
ソファーは優には小さくて窮屈じゃない…?
そんな事を考えているのも初めにうちだけ。
自分の昂りに、意識が翻弄される。
「あぁ…ふっ…んん…。」
ぺちゃぺちゃ…
ぬちょっ…
れろ…れろ…
恥ずかしい音が、耳にダイレクトに聞こえてくる。
気持ち良くて優の頭に手を挿し込み、しっかりとした髪の感触を、握り締めていた。
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