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私達は途方もない暗闇の中を歩き続けた。ただ真っ直ぐ。美加は私の手を引いてくれてる。男子二人は私達に心配かけさせまいと声をかけ続けてくれた。
「まさか本当に迷いの森だったとはな」
「まぁ、道が真っ直ぐで助かったな」
「いや、本当に怖かったね。美月、大丈夫?」
「うん、なんとかね」
「っていうか光希がバカなこと言わなければこんな目に会わずにすんだのに」
「おい、全部俺のせいかよ。美加だってノリノリだったじゃねーか」
「まぁまぁお二人さん。喧嘩して転んだりしたら本当に迷うぞ。」
よかった。みんなの声はしっかりと近くにある。姿こそ見えないものの、近くにみんないるんだ。足音だって4人分しっかり聞こえてる。私はみんなの声と美加の手を頼りに心の平穏を保ち、歩き続けた。
長かった暗闇も終わりを告げようとしていた。100mほど前方に、僅かな光があった。それは森の入り口にあった、小さな外灯の光だ。
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