プロローグ

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プロローグ

 私は困惑した。ここはどこだ。  私達の住む町、狭間町にはとある有名心霊スポットがあった。そこに一度足を踏み入れると、2度と現世に戻って来られないと言われている樹海。通称、「迷いの森」。  私達はそこに安易に足を踏み入れてしまった。そしてあろうことか私だけがはぐれてしまい、迷いの森のなかをさ迷うことになってしまった。今思えば、アイツのバカな提案に乗ったのが間違いであり、運の尽きだった。私は悔やみきれぬ後悔を胸に、涙目になりながらじっとりと湿った地面を踏みしめて歩いていた。
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