雨のこえ

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大丈夫だよ。 以前、君にも話したけど、それはまさしくこういう時にこそそれを実感する事が出来るんだ。 長く降り続いている雨でも、君がいるなら関係ないさ。 むしろ君がいるからこそ今の天気に関係なく外に出られるんだからね。 傘に当たる雨の音。 雨によって透き通るような体感を持った湿度。 時々聞こえる水たまりに触れた時の音… こういう事は、雨じゃないと体験出来ない身近ないい響きを覚えられる体験なんだ。 こういう体験が出来るのも、雨という恵みの存在があるからであり、何よりそうした中で過ごす事が出来るようにしてくれる君がいるからなんだ。 私がそう言うと、傘も晴れの日のようにニッコリしながら私に言った。 (そうね。いつもありがとう。) 私もだよ。 私は傘と共に、降りしきる雨の中を歩いていった。
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