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抗えぬ運命
―――貴方に触れたい……。だけど世界が……運命がそれを許さない。何故、何故なの?
―――何か私が私達が罪を犯したというのなら、神よ教えて下さい。理由もわからずに同じ運命を繰り返すのはもう、嫌なのです
―――もう何度、あの人が絶望に満ちた表情を浮かべ死んでいくのを見たでしょうか。何百、何千、何万……私の手であの人を殺さなければならないのですか?
―――何度、あの人に無謀な戦いをさせるのですか?満身創痍の身体で私に立ち向かうその姿を観て神は楽しんでいらっしゃるのですか?
―――あの時、姿を身分を偽り貴方と出会わなければ、こんなに苦しい想いを抱き続ける必要はなかったのにと、貴方との出会いを恨んだこともあります。貴方と出会わないようにしようとしたことも。ですが運命の強制力がそれを許しませんでした
―――貴方はどう思っているのでしょうか。同じ運命を繰り返していることを知っているのでしょうか。おそらく知らないでしょうね…知っていてほしくないです
―――この苦しみを感じるのは私だけでいい、私だけが苦しみ足掻き続ければいい。そしていつの日か貴方の手で……勇者である貴方に破壊の主である私を殺してほしい
―――そしてこの世界に平和と繰り返すことのない運命を創りあげてほしい
―――だから私はそれまで貴方を何度でも殺します。貴方が運命の強制力から外れるその日まで、私の手で……
―――いつかこの「ゲーム」を終わらせてくれると信じて
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