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抗う運命
―――君は一体なにを思っているのだろうか。無様な僕の姿を見て絶望しているのだろうか
―――何度も何度も無謀な戦いを繰り返す僕に怒りを覚えているのではないだろうか
―――だけど抗おうとしたも運命が僕が道から外れることを許さないんだ
―――可笑しな話だろう?僕もそう思うよ。でも本当なんだ。何かいつもと違うことをしようとすれば身体を乗っ取られ決められた道へと強制的に戻されてしまう
―――この世界で僕は決められた役を決められた通りにこなすことしか許されていないんだ
―――君はどうなんだろう。君は同じ運命を辿っていることに気づいているのかな。気づいていないといいな……。他の人たちと同様に自分の運命に疑問を抱かず生きているといいな。だって、もし君が同じ運命を繰り返していると知れば耐えられないだろう。君は優しいからね
―――あの日僕は気づいていたんだよ。森で出会った女性が破壊の主であることに。君だと気づいていたのに剣を抜けなかったんだ。だって……君の優しさに触れてしまったから
―――最初は君を殺そうとしていたよ。この世界を終わらせるために。そして自分の為に。だけど気づいてしまったんだ。君が僕を殺す時の表情を見て。僕と同じなんだって。決められたやくを無理矢理演じさせられているだけなんだって
―――だから僕は君を救うと決めたんだ。何をすれば君の救いになるかはわからないけれど、僕は運命に抗い続けると決めた。何度でも何度でも。いつか僕が決めた道へ進めると信じて
―――だから待っていてくれないか。少しでも早く君のあの哀しみに満ちた表情を笑顔に変えるために。君が望む運命を辿ることができるように僕は……
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