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1.序章(2)
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「つだぁーっ!」
よく通る千里の声が まりかの名前を叫んだ。
相手からボールを受け取ると一目散にゴール目指して駆ける。
小学校の昼休みは大勢が校庭に出るため、サッカー試合といってもコート内は子どもたちで溢れていた。
そんな中で、津田まりかは男子顔負けのシュートを決めて見せた。
「やったぁ!」
まりかは声を上げていた。
≪すっげぇ!≫
〈くっそう、イケメン女にやられた。〉
5年生と6年生の対決に混じっている4年生は、まりかだけだった。
それも女子。
〔約束だからな。 もう邪魔すんなよ。〕
言ったのは突っ立っている佐倉千里…じゃなくて隣の彼のお友達のほうだった。
相手チームの上級生が悔しそうに口を歪めていたが、約束は約束だ。
放課後は千里達5年生が校庭の半分を練習に使う。
6年男子のサッカー部のメンバーはこんな事になるとは夢にも思っていなかったに違いない。
津田に聞こえよがしに、「あの男みたいな女、誰だよ。」 そう言ていた。
彼らは仲間に誰を加えようが勝てる自信があったからこそ、学年・性別を問わずの参加を了承したことを今更後悔していた。
ポーンとまりかの肩が、たたかれる。
『ありがとうな、津田のお陰で勝てたよ。』
全くその通りだった。
千里は運動神経はいいのだが、ボ―ルを扱う競技はサッパリだった。
『千里くん、またね…。』
「うん、またな。」
やんわりと微笑み合って別れる。
ソレがこの小学校で、まりかにとって最後の千里とのやり取りとなった。
彼女は転校することが決まっていたのだ。
最後の…
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直希が目覚めるとソコは病院のベッドの上だった。
『良かった、気が付いたか?』
見るとそこには見知らぬ大人がいた。
ここは病院で僕はこの人の車の前に倒れたんだと教えられる。
親御さんに連絡するから、自宅の電話を教えてほしいと言われて、直希わずかに焦った。
家出してきた直樹に答えられるわけがなかった。
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