プロローグ

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「このコンパスは延暦寺の古い霊鏡(れいきょう)を中に仕込んである、どうゆうカラクリか知らんが、霊の探知機のように針が動く寸法でな」 御上はコンパスを覗きながら 「ここだな」 と曲がった廊下の先で止まった。 「なにもないですよ?」 茶木が不思議そうに粒くと 「そこの上の(へり)を探ってみろ」 御上の言葉に茶木は背伸びして、縁に指を入れていると手に何か当たり 「うわー」 と情けない声をあげた。 その拍子で、落ちたものは、白い布で束ねた長い髪だった。 「これが、化け物の正体か」 御上は、それを掴むと 「茶木、車から俺のバック取ってこい」 そう口にした。
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