プロローグ

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「兄貴、それは?」 茶木が尋ねると 「高野山の得の高い坊主の般若心経だ」 「高野山のお経、凄いすね、霊力てヤツですか?」 「そんなんじゃねえよ。このお経の波長が実体のない輩には不快な音に聞こえてるだけだ」 御上はMDを茶木に渡すと 「持ってろ、あとは」 そう言うと腰からリボルバーを取り出した 「あ、兄貴、チャカは不味いすよ」 「安心しろ、モデルガンだよ。ただ弾丸は、比叡山の霊木(れいぼく)から削り梵字(ぼんじ)を堀こんであるけどな」 御上は、ターン、ターンと撃ち込むと その弾丸に化け物は、悲鳴のようなオドロオドロしい声を発すると奥に消えていった 「逃げましたよ。兄貴」 「追うぞ」 御上はコンパスのような物を取り出すと化け物が消えた廊下の先に進んだ。
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