プロローグ

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茶木が戻りバックから木箱を取り出すと髪をしまい、お札を張り付けた。 「も、もう大丈夫なんですか?」 茶木が恐る恐る木箱を覗くと 「この木箱は例の比叡山の御神木の物で、お札は高野山の坊主の直筆のマジもんだ、 言うなれば鉄格子に頑丈な錠前をつけたようなもんだから、どんなに暴れても逃げようがねえよ」 「ふー」 と茶木は安堵して座りこむと 「ところで、なんだったんすか?これ」 「付喪神かと思ってたが、どうやら、そんな物じゃないな」 「つくもがみ?」 「古い物に取りつく低霊の化け物だ、物には器がねえから、長い年月置いておくと、低霊の化け物が住み着くことがあるんだよ」 「ふーん、でも違うんですよね」 「あとは、家主に説明してやるから聞いとけ」 御上は面倒くさそうに、その場を後にした。
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