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御上は応接間のソファーにドカっと座るとタバコに火をつけた
「あの、うちは禁煙なんですが……」
田辺一郎が困ったように言うと
「あっそ、」
御上は構わずタバコの煙を吹き出すと
「原因は、これだぜ」
そう言うと木箱をテーブルに置いた
「これは?」
「女の髪の毛の束だ」
「ええっ!なんで、そんなものが」
「アンタに横恋慕した女か、不倫した女か、知らねえが、この家に足を踏み入れた時に、こっそり仕込んだんだろう、呪いとしてな」
「呪いですか?」
「呪いをバカにしちゃいけねえ、人の憎悪を形に出きる代物で、段階を踏まずに簡単に扱える」
「じゃ、その女の霊が?」
「霊じゃねえよ、生き霊だ、その女の狙いは奥さんだろうな、髪の毛一本一本に怨念というコードをこめてウィルスのように仕込んだて訳だ」
その言葉に田辺一郎は考えこみ
「確か、新入社員のなかに私に好意を持った女性がいて、ストーカー騒ぎで法廷にまで、
その女性は、だいぶ前に他の社員と、うちを訪れたことがありましたが……その時に仕込んだて事ですかね」
「さあな、そこは俺の仕事じゃない」
御上は出されたお茶にタバコを沈めた
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