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もしかしたら、友紀さんはわたしの気持ちを知っているのかもしれない。
友紀さんと葵衣がいて家族だと呼べるほど、ずっとそばにいてくれたことはわたしもよく知っている。
わたしが友紀さんを見ているよりも、友紀さんはわたしと葵衣を見てくれていたはず。
気付かれていたっておかしくはない。
知っていて『 嘘は吐かないで 』と言うのなら、今、友紀さんはどれほどの葛藤を抱えているのだろう。
その現れが、さっき垣間見た涙なのだとしたら、一瞬で乗り越えられるほどのものじゃないということはわかる。
ごめんなさい。
ありがとう。
やっぱり、ごめんなさい。
嘘を吐かなくていいと言ってくれる友紀さんにさえ、涙を与えてしまうような恋をしてしまって。
はっきりと、応援の言葉をかけたり、背中を押すことの出来ない恋をしてしまって。
友紀さんが心の底から祝福をすることはきっと出来ない恋をしてしまって。
本当にごめんなさい。
ありがとうとは言い切れない。
けれど、謝罪を口にすることが間違っていることだけは確かな今、わたしは口を噤んで友紀さんの腕に捕まることしか出来なかった。
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