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※※※
「ああ、オレって本当におめでたいヤツだなぁ」
上総は雨が上がった星空を見上げた。
幼い頃から好きだった女は、とうとうオレの気持ちに気づくことなく、他の男と両思いになってしまった。
星空を見てるといっそ清々しくなる。
「こんな良い男がそばにいたっていうのになぁ」
完敗だ。
完敗過ぎて、悔しいとか悲しいとか全くない。
あるのは、これでよかったんだという思い。
ふたりがいずれくっつくのはわかってた。
それほどにふたりはお互いに遠くて近い存在だった。
「これで吹っ切れた」
上総の見上げた星空はどこまでも輝いていた。
完
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