綺麗に晴れた日に死にたい

今日は死ねない。
明日の天気予報を確認する。明日はこの雨もピタリと止み、青空が広がるいい天気になるそうだ。
明日なら死ねる。
綺麗に晴れ渡る空と綺麗に咲き誇る花に見守られながら僕は死ぬ、最高のこの世の別れ。
だから今日は死ねない。

「じゃあ、暇だし温泉に入ろうかな。」
ここの温泉の湯は本当に心地いい。だから計画の予定外だったがもう一度温泉に入れることに喜びを感じた。

温泉から出て部屋で読書をしていると中居さんが美味しいご飯を運んできてくれた。
「お代わりもありますからね。たんと食べてくださいな。」
中居さんは冴えない根暗な僕なんかにも優しく微笑みかけてくれる。それが心に染みわたり泣きそうになった。たとえ、仕事だからと言ってもこんなに優しく微笑みかけてくれるだろうか。僕のいつも利用しているコンビニと弁当屋はいつも無愛想だったり挨拶も適当だし。職場の人間は僕に冷たい視線しか向けないし。だからこんな優しくされるのは本当に思い出せないくらい久々だったんだ。