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「なんで自分の気持ち見透かされてるのかって顔してるなあ。」
麦野さんはくすくす笑う。そして信じられないようなことを言った。
「俺、ここで自殺したんだ。」
・・・・え。
ちゃんと姿見えてるし、足だってあるし!こう触っても・・・。
「触ってもすり抜けたりしてないし!って思ってるでしょ?・・・うん、そうだね。ざっくり簡単に言うとこの旅館は自殺したい人しか来れない場所なんだ。そしてその気持ちがある人間にしか俺たちの存在は見えない。」
「・・・嘘だ。」
「そう思うかもだけど、本当の話。こればかりは信じてもらうしかない。そして俺はその自殺を止めるために存在している。」
なにそれ、なにそれ!!僕はここに遊びに来たんじゃないんだぞ!死にに来たんだ!生半可な気持ちじゃないんだ。・・・本当に自分で人生を終わらせるために来たんだ。僕はいらない人間だから、生きてる必要とかないから。なのに、どうして邪魔する!もし、麦野さんが本当に自殺した人間なら僕の気持ち分かるだろ?!
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