失恋

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私は、「ふう」とため息をつき、隣にいる穂乃香の肩に、コツンと一度だけ頭を載せた。 穂乃香は、とてもかわいくて、愛らしい顔をしている。 性格はサバサバしているけれど、多少ムスッとしたところで、「すねてる」ぐらいのかわいい印象になる感じ。 私は、「クールビューティ」とか、自分では程遠いと思う言葉で表現されたりするけれど、とにかく、黙っていれば冷たそうで、少しでもムッとしようものなら、氷のような冷たさを感じる・・・らしい。 もっとも。 今回は「多少ムッと」したレベルじゃなくて、「相当ムッと」してるだろうから、怖さも倍増なのだろうけど。 理由が理由だし、いつから婚約してたのか、とか、はじめから浮気だったのか、とか、よくわからないことが多すぎて、今は悲しさよりも怒りの気持ちの方が大きい。 私はしばらく考えてから、穂乃香の問いに答えを出した。 「・・・穂乃香には、そのうち話す。今はまだ、ちょっと言えないんだけど。」 「そっか。・・・わかった。 じゃあ、とりあえず今日はじゃんじゃん飲もっか。」 「うん。そうだね。」 二人で、たわいもない話をする。 私の3杯目のビールが届いたとき、先生チームから穂乃香を呼ぶ声がかかった。
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