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「トマトでそんなに喜んでもらえたら嬉しいな。パンも今朝焼いたところだ。食べてみろ。」
「はい!、、パンはこれですか?」
パン屋さんの匂いのするふわふわを手に取る。
「ああ、パンを見たことがないのか?」
「パンのお粥は食べたことあるけど見たことはなくて。。」
話しかけられているので返事しているが、目線はパンに釘付けだ。
恐る恐ると言ったようにパンに口を近づけて、小さく噛む。
「、、、、!!」
「くふっ。。。」
パアアアと明るくなった真の顔に狼さんは笑いを堪えれなかった。
「香ばしい!ふわふわなのに表面がさくってして、ほんのり甘いのがお口が幸せです!」
口の端にパン屑をつけて捲し立てるように喋る真。
「ふっ、そうか。ゆっくり食べろ。」
(こんな幸せそうに食べてる奴の邪魔はできないな。)
狼さんは温かい目で真を見守りながら自分も朝食を食べ始めた。
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