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「けふっ、、、お腹いっぱいです。」
「そりゃあよかった。ほれ、お茶でも飲め。」
狼さんに差し出されたお茶を両手で持って飲む。
「それで、お前どこから来たんだ?俺が水を汲みに行った井戸の付近で倒れていたんだ。お前みたいなチビを置いておくわけにもいかないから連れて帰ってきたが、親が心配してないか?」
「実は、、。」
そう話し始めようとしたが、神様にここに落とされましたと言って誰が信じるんだろう。
ここがどんな世界かわからないし、こんなに優しくしてもらっているのに変なやつだと思われるのも悲しい。
神様に連絡を取る方法なんてあるわけもないし。
なにをどう伝えようか悩んでいると、頭の上に温かいものが置かれた。
狼さんの手だ。
「無理しなくていいぞ。言いづらい事なんだろう。住むところがなけりゃここにいろ。この老いぼれで良ければ面倒みてやる。」
頭を撫でられ、真は本当のことを話せない自分の弱さと優しさに涙を流してしまった。
そしてここから狼さん、、ソラさんとの生活が始まった。
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