新しい世界

13/13
前へ
/275ページ
次へ
「ただいまかえりました!」 「おお、早かったな。お帰り。」 家に着くとソラが洗濯物を干していた。 「僕もやるよ!薬机の上置いてくるね!」 「ふっ、まてまて。こっちに来い。」 ソラに手招きされて近くに寄ると、口を拭われた。 「真っ白な髭をつけて、、。」 「マスターにもらったミルクだ!ありがと!」 口にずっとつけたまま町を走って戻って来たのか。。 そう思うと恥ずかしい。。 少し頬を赤く染めて家の中の机に薬を置き、洗濯物干しを手伝いに外に出る。 洗濯物のいい香りが風に乗って飛んでいく。 草が風に揺れていて、太陽が干した洗濯物を乾かしていく。 色鮮やかな景色は真の世界を明るく広げてくれる。 その感覚が心地良くてついソラが干しているのを眺めてしまう。 しばらく惚けていると、ソラが寄ってきた。 「どうした?もう干し終わったぞ。」 「はっ、ごめんなさい。手伝わなくて。。」 ソラはニッと笑って家の中に入っていった。 「そんなの気にするな。いまから明日からの分のパン生地を作るから手伝ってくれるか?」 「、、、うん!!」 真の元気のいい声が風に流された。
/275ページ

最初のコメントを投稿しよう!

392人が本棚に入れています
本棚に追加