〜再会〜

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(YH side) 社長から聞かされてたショコラティエが来ているので案内するように言われ、俺はフロントへと向かった 「お待たせしました、社長秘書のチョン・ユンホです‥社長室にご案内致します」 頭を下げ、顔をあげると・・・ そこに立っていたのはジェジュンだった 「ユ‥ノ…//」 「ジェジュン…」 暫くお互い見つめ合ってしまった あの頃と何も変わらない・・ 一目ですぐにジェジュンだとわかった 「案内する…」 俺は、すぐに頭を切り替え社長室へと向かった 「・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・」 お互いに沈黙したまま・・・ 「こちらです・・・どうぞ」 そう言って社長室に送り届けた 俺はすぐに自分のデスクに向かい、メモ帳にペンを走らせた そして、自分の住所と連絡先を書いて、社長室の前で待った 社長室を出てくるなり、足早に去って行こうとするジェジュンを呼び止めた 「おい‥ジェジュン!‥待てよ…」 「…なに?」 冷たい返事が帰ってきた 「何じゃないだろ?」 「これ、俺のアドレスと住所‥仕事8時に終わらせるから‥9時頃来てくれ」 俺は断れないように、すぐさまその場から立ち去った ジェジュンが来てくれる保証なんてないのに、俺は残業をしないためにも 食事の時間も惜しんで仕事を片づけた 今更ジェジュンに会ったところで、何か変わるんだろうか? 10年燻ってた気持ちは報われるのだろうか・・・? そんなのどうでも良かった ジェジュンに会えたのだから・・ 元のような関係になれなくても、飲み友達くらいにはなれるかな? きっとジェジュンにも素敵な恋人くらいは居るんだろうな・・残念だけど。 でも、この10年の事ジェジュンに聞きたかった どこで何をやってたのか・・俺はどういう生活をしていたとか つまらないことでもいい。一緒に笑いあえれば・・ 半ば強引に仕事を終わらせ、まっすぐ家に帰宅した 普段から、部屋は汚い方だったから、急いで片づけた まあ片づけたといっても、クローゼットに押し込んだだけ・・・(笑) 飲み物は・・・・ この前社長に貰ったワインがあったな・・あれでいいか。 まだ、30分もある・・・ なんだかソワソワして落ち着かない 初めて彼女を家に招待する心境みたいだ。。。 何かしていなきゃ、ドキドキして、じっとしていられなかった。 とりあえず。。。 なんか冷蔵庫にあったかな・・・? ああ・・・こんな時に限って、なんにもない・・・ 普段自炊なんてしないから、食材など何にもない コンビニでツマミになりそうなものでも買ってくるか・・・ 俺は、近所のコンビニまで走った あれもいいな・・お、これもいい 飲み物も買っておこう そんな感じでどんどんカゴに放り込んでたら、カゴが満杯になってしまった さすがにちょっとこれは買いすぎか・・・ 何個か棚に戻し、急いで自宅マンションへと向かった マンションの前に見慣れない人影があった あれ?誰だ・・?入らないのか・・? 行ったり来たりしている人影を不審に思いつつ、近寄ってみると・・・ あ・・・・ 「ジェジュン・・・?」 「ユノ・・・///」 「来てくれたんだ・・・ありがとう・・寒いから入って?」 「え・・・でも・・・」 「いいから、いいから・・」 そう言って、ジェジュンの背中をおし部屋に招き入れた 「ジェジュン・・・久しぶり・・・元気だったか?」 「うん・・・ユノこそ・・・」 「まあ、それなりにな・・とりあえず上がれよ」 「あ・・うん。お邪魔します・・」 「散らかってるけど、適当に座って?」 「うん・・」 「飲み物・・・ワインでいいか?」 「うん・・ありがと」 グラスにワインを注ぎジェジュンに手渡した 緊張していたのか ジェジュンはグラスに入ったワインを一気に飲み干した 「大丈夫か・・?ゆっくり飲めよ?」 「うん・・・///」 「ぐ~・・」 俺のお腹が鳴った 「あっは・・ユノ・・・お腹すいてるの?」 「そう言えば・・・飯食うの忘れてた・・・」 「そうだ・・これ・・・少しはおなかの足しになるかな・・?」 そう言って取り出したのは、可愛い箱に入った、色とりどりのチョコレートだった 「うわっ!!すげ~!これ食べていいの?」 「うん・・食べて」 「何か・・食べるの勿体ないな~」 一つ一つ繊細に作られたそれは、宝石のように輝いていて 食べてしまうのが勿体ないほどだった ジェジュンにじーっと、見つめられて・・ 「・・・いただきます」 俺は決心して、そのうちの一つを口に含んだ 「ウマっ!!ジェジュン!これ、超美味しいよ!」 口の中でホロホロと溶けだし、なんとも言えないような美味しさだった 「あっは////良かった・・」 そう言って、照れて俯くジェジュンは10年前と変わらなくて・・・ 妖艶さを纏って、さらに美しくなったジェジュン 俺は我慢できずに、抱きしめてしまった・・・ 「え・・・ちょ・・ユノ・・・///」 「ごめん・・・暫くこのままでいさせて・・・」 「・・・うん」 俺の胸の高鳴りに比例して、俺自身も成長してしまい動けなくなった・・・ ユノユノ・・おとなしくしてろ・・・ 落ち着け・・・落ち着け、、 そう言い聞かせても、久しぶりのジェジュンに俺の熱は収まらなかった・・・
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