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〜逢いたい〜
(YH side)
お前は今、何してるかな?
俺たちは別れてから10年たった…
毎年、この時期になるとお前を思い出すよ…
チョコを欲しがって、わがまま言ったこと‥今でもハッキリ覚えてる
「なぁ、ジェジュン…俺にチョコくれよ?本命だろ?」
「はぁ?なに言ってんの?俺だって、男なんだぞ?恥ずかしくて買えるかよ!」
「なぁ…お願いだから‥」
「ったく…しょうがねぇな‥」
そう言って、手作りチョコレートを作ってくれた
そりゃあもう、めちゃくちゃ旨かった
俺も、ジェジュンもモテてたから、チョコなんていくらでも貰えたのに、忘れられない味だった。
俺にとって、ジェジュンは特別だったから‥
店頭のショーケースにチョコレートが並ぶ、この時期になるとジェジュンを思い出す‥
俺はお前と別れた後、このデパートに入り、今では社長秘書を務めるまでになった
社長と一緒にデパートの見回りをしたりするから、嫌でもチョコレートが目に入る・・
チョコレートを見るたびジェジュンを思いだすなんてな…
お前に言ったら怒られそうだ
お前はあの約束覚えてるか?
俺たちが別れた時・・・
10年後お互いにパートナーがいなかったら、、
また付き合おうって
俺はお前と別れてから、いろんな女と付き合ったが、どれも長続きしなかった
女と付き合う度、ジェジュンはこうだったとか、お前と比べてしまっていた
…それが続かなかった原因。
俺たちは、お互い嫌いで別れたわけじゃない。
お互いに話し合って、そう決めたんだ・・
俺もお前も長男だったし、ゆくゆくは家を継がなければならなかったから・・
両親は、普通に結婚して、子どもをもうけて・・・
なんて、ごく普通の男の幸せを望んでた
そんな両親も、今はもういない・・・
俺の人生に口出しされないようにはなった
ただ、一つだけ心残りは、孫の顔を見せられなかった事
でも、こればっかりはしょうがない。。
縁がなかったのだから・・・
ジェジュンとの出会いは衝撃的だった
転校してきたジェジュンに俺は一目ぼれしたんだ
制服のない高校だったから、ジェジュンが男だったなんて告白するまで分からなかった
でも、そんなことどうでもいいと思えるくらい愛してしまった
あの時の俺たちはまだ若すぎた・・
覚えたばかりの性に、のめり込んでいたんだ
それがいけないことだなんて知らなかったし・・
ただ、とても愛してた
だから、貪るように互いの身体を求めあった
この先ずっとジェジュンといられると思ってた
でも、僕たちのようなカップルは世間から疎外されていた
大っぴらにしちゃいけなかったんだ・・・・だからあんな・・・
そんな事も知らずに、僕はただ「愛」だけで生きていけると本気で思ってた
大人になった今なら、ジェジュンを守ってやれる
だから・・今、お前に逢いたい。
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