ふざけんな!

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「こ、う、す、け〜!!!」 ドーン!というように、俺の背中に重みが一気にかかる。講義の準備の為にノートなどを広げていたせいで、筆箱がカシャンと音を立てて落ちる。 「あ、」 「おい」 「ごめーんね」 てへっ、と言いながらふざけた様子で謝ってくるやつに1発横腹にエルボーを入れる。 「うぐっ、ちょ〜ジャスト」 「当たり前だ。」 エルボーによって下に崩れ落ちたそいつの様子を見るために、くるりと回って後ろをむく。 「まったく、いい加減にしろグレン」 「いや〜、昨日功祐もケニーも来なかったからさー」 寂しかった〜と言いながら、抱きついてこようとするグレンの頭を押さえる。 暑い! 「あ、そういえば昨日ケニーから功祐生きてる?って来たけどなんかあった?」 「あぁ?」 「あはっ、がらわるーい」 両手を上げてお手上げ状態を作るグレンを思いっきり睨む。 「ほら、見てみて〜」 グレンが見せてくるスマホの画面を見ると、ケニーから連絡が入っていた。 【やっちったwwwうけるwwwwww 一昨日遊んだって言ってた女、アイザックの女だったwww通りで具合がいい訳だwwwwww】 文面がくそうぜぇ。 「うぜぇな」 「あはっ!いつもだよ〜」 笑いながらなかなか厳しいことをいうグレンに笑いながら、更にスマホの画面を読み進める。 【さっき、たまたま功祐と飲んでたらアイザックに見つかっちった(ノ≧ڡ≦)☆ 逃げたらまさかの俺のほう3人wwwwww 功祐の方に5人も行っちゃったから助けて上げて!俺は、もう倒しちゃった!】 は?倒した? その通知とともに下に写真が付いていた。アイザックの取り巻きがボコボコになって眠っている写真だ。 しかも自撮り込み。 「くそ要らねぇ」 「あはっ!顔がいいのがムカつくよね」 「あいつの顔がいいとか認めねぇ」 「あははっ!ちょー強情!」 ぷにぷにと俺の頬を啄きながら笑うグレンに少しだけイラッとしながら、その手を叩き落とす。 てか、あいつ喧嘩できたのか。 いつも俺とグレンにしばかれてるから喧嘩は出来ねぇと思ってたわ。 【そんでもって、助けようと思ってさっきから功祐に電話かけてんだけど繋がんなくてさ? 俺嫌われた? え?違うよね?それはないよね?ないよねぇ!?!? 嫌だァァァァァァあー!!! 俺、功祐に嫌われたら生きていけない!!助けてグレン!!!俺を今すぐ助けてぇぇぇぇえー!!!】 .....は? くっそウザイ文面は置いといて、てめぇ、グレンに俺の救助を助けるんじゃなくて、なんでおめぇの助けを求めてんだよ。シバくぞ。 「俺を助けろって言うんじゃねーのかよ」 「あははっ、俺も思った〜」 あ?てか、俺に連絡つかねぇのって酔いつぶれてたからじゃね? スマホを開いて連絡先を開く。 昨日の朝から通知を消した覚えがないので、通知がないことは無いはずだ。 「あはっ、巻き込まれたからってケニーの連絡先消すなんて功祐ひど〜い」 あははっ、と楽しそうに笑うグレンの言葉に、は?と返す。 俺消したおぼえねぇし、てか、そんな通知見た覚え.....あ、あいつか。 後ろから覗いていたグレンが言う通り、俺の連絡先のなかにケニーの名前は消えていた。 「チッ!」 「あれ〜、功祐機嫌悪い〜?」 「くっそ悪い」 「あは、こわーい」 絶対怖いと思ってないようにいうグレンの頭をぐじゃぐじゃと混ぜた後、スマホの画面を消して机の上に置く。 「グレン、ケニーの連絡先くれ。」 「許すの〜?」 「許さねぇよ」 「ふふっ、俺ケニーと功祐の喧嘩好き〜」 「は?なんで?」 「マンザイ?って言うのに似てる〜」 「あ?」 「功祐こわ〜い」 あはっ、と笑うグレンにひとつ舌打ちをすると、ケニーの連絡先を登録し直す。 「あ、続き見る〜?」 「見る」 直ぐに食いついた俺に、くすくすと笑ったグレンは俺に文面を見せてくる。 俺の背中に寄りかかって、後ろからスマホを差し出してくる。 重い暑いむさい。 そんなことを思いながらも何も言わない俺自身にため息を着く。 この重さになれた俺が怖い。 【俺今、2時間ぐらい走ったとこいっからまじ功祐助けにいけねぇから、功祐の事頼んだ!じゃあな!】 いや、文面でじゃあなとか言われても。 てか、 「お前、一昨日俺の事助けに来なかったよな?」 「あはっ」 「おい、どーゆーことだ?」 「ごめんね〜、寝てた。」 「彼女と?」 「あはっ」 すぐ側にある横腹に、思いっきりエルボーを入れてからグレンのスマホを取る。 下にスクロールしていくと、昨日の朝に功祐大丈夫かな〜?捕まっちゃった?wwwなんていう文章が送られてきていた。 ぶちのめす。 「ごめんって〜。」 「チッ、ケニーは後からぶちのめすとして、お前は俺に昼飯奢れ。」 「え?そんなんでいいの?」 「は?」 グレンのそんなんでいいの発言に首を傾げる。 グレンも例に漏れず苦労人学生だ。昼飯を奢るなんて簡単にすることじゃない。 「どゆう風の吹き回しだ?」 「ふふーん、見て驚け!」 グレンが長袖のパーカーの中からドロー!!と言いながら、何かの券を3枚さっ!と取り出す。 おい待て、おいまて、なんでお前が遊戯の王様を知ってるんだ。お前日本アニメに興味なかっただろ ツッコミを放棄して見ていると、シャキーン!といいながら厨二病ポーズをしてドヤ顔で俺の方にカードを見せる。 見にくいわ。 「で、結局それはなんだ」 「あはっ、ぶった切らないでー」 決めポーズを崩して、グレンはチケットをテーブルの上に置く。 「ストリートバスケ大会?」 初めて見るその文字に、首を傾げる。
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