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「ん。」
カーテンから差し込む光が眩しくて、眉を寄せ呻く。俺の部屋のベットは、絶対に顔に光が当たらない場所に置いてあるので、俺の部屋では無いことはすぐにわかった。
まぁ、別に俺の部屋はもう既に燃えてしまっているが。
「おい、ジャック、眩しい。」
ポンポンと横を叩くと、感じるのは山。ごつい筋肉の塊が俺の横に寝ている。
それもいつもの事で慣れてきた。真っ白なシーツにもふもふの羽毛布団。全裸の俺には優しい肌触りで心地よい。
「うるせぇ。」
グイッと布団の中から引っ張られ、人の体温が背中に当たる。いつも以上に起きそうにないジャックにため息をつく。手足に残る赤い痕。あと大量の噛み跡。.....噛み跡?
ん?ジャックはいつもキスマークは付けても別に噛むことはあまりしなかったはずだ。しかも、尋常じゃない腰の痛みと節々の痛み。気が付けば気がつくほど嫌な汗が垂れる。
後、背中がすんげぇ痛いんだけど?え?ベッドでしたら別に背中って痛くねぇよな?あれ?と思いながらジャックを盗み見る。俺の腰に回された腕には、何ヶ所にも噛み跡があり、その他に青タンなんかが着いている。
..........俺?
俺がこんな痕つけたの?え、がち?まじ?嘘だろ?え?本気?
グルグルと頭の中を謎が回り、微妙に昨日の記憶を思い出し始める。
おれ、俺、まて、まてまてまて、へ?俺ジャックを押し倒した、よな?しかも玄関で。思いっきり馬乗りになって誘惑した?いや、ほんっ気で何してんだよ俺!!!!
1人で思い出して1人で恥ずかしくなった俺は、両手で顔を包む。
へ、しかも、しかもその後お風呂場で何回かやって、ベッドでもやったよな?え?俺そんなジャックについていけるほど体力ないはずなんだけど?なんで、昨日の俺は出来てんの?え、薬って怖い。
悶々としていと、一番重要な部分を思い出し始める。
え、あ、ま、ぉぉおおおおお俺。好きって、言った?
『ジャック、好き』
・・・・・・言ったな。確実に絶対ガッツリ言ったな。好きって、言いながらキスしたな。かっこいいとも言ったな俺。
うわぁぁぁぁー!!と昨日の自分を思い出して1人で恥ずかしくなっていると、ジャックからの拘束がさらに強くなる。
「うるせぇ。」
いや、別に叫んで無いけどな。
なんて事を内心突っ込む。腕枕をしている手にも噛み跡がついているので、肩とかはもっと酷いんだろうな。とか思いながらベッドを出るためにモゾモゾと動く。もう朝食の時間だ。
「ジャック、手を離してくれ。」
ポンポンと腕を叩くと、眠そうなパール色の瞳が俺を捕える。
「なに?」
「だから、離せって。朝飯作るから。」
ほらほら、と言って抜け出そうとすると、さらに強く抱きしめられる。おふ、内蔵出そう。
ギブギブと言いながら腕を叩くと、ようやく拘束が緩くなる。
「うはぁぁう!?」
ベロンと項が舐め上げられる。突然のこと過ぎて変な声が出る。
「くっ、どんな声出してだよ。」
くつくつと楽しそうに笑うジャックに、若干イラッとしながらジャックの腕を強く叩く。
「うるさい!お前が突然舐めるからだろ!」
「昨日はもっと、って言ったくせにか?」
そう言われて思い出すのはベッドでの記憶。
『ジャック、そこ、いや、ねぇ、もっとキス。もっと、舐め』
「うわぁぁぁぁー!!!聞こえない覚えてない知らない!」
ないないない!と叫ぶと、さらに楽しそうに笑うジャックの笑い声が耳元に響く。
「俺も愛してるぜ功祐。」
「うるさいうるさいうるさい!俺は昨日の事なんてなーんも覚えてねぇ!」
そう言うと、ジャックはキョトンと顔をするが、直ぐにいやらしい笑みを浮かべて首筋にキスをしていく。
「覚えてねぇなら、思い出させるしかねぇよな?」
「へ?」
クルッと仰向けにベッドの上に転がされ、その上に馬乗りにジャックが乗ってくる。いや、いやいやいやいや!
「昨日!さんっざんヤッたろ!?」
「あ?覚えてねぇんだろ?イケルイケル。」
最後の何の感情も篭ってないイケルにイラッとしながら体を触ろうとしてくるジャックの手を止める。
「もう!むり!寝る!」
「おー、じゃあ、俺は勝手にしてる。」
「すんな!!」
ギャンギャンと騒ぐ声と共に、明るい日差しがベッドの上を照らす。
顔が赤い2人がいたのは、日差しだけが知っている秘密。
一章 完
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これで一章完結です。
ここまで見てくださった皆さんありがとうございます。また、二章でもよろしくお願いします。
この一章は、本来ならまだ短いもののはずでしたが、なんやかんやしていたら長くなりました(笑)。まさか、一章でこんなになるなんて思っていなかったので二章でどれだけ長くなるのかと考えたら、すんごい怖くなっているこの頃です(笑笑)。
見てくださる皆様のおかげでここまで行けたので、是非スター特権を作るつもりですが、何しろ色々分かるのが二章からという。
じゃあ、何を書こうか?となっていてなかなか書き出せずに悶々と悩んでおります(笑笑)。
なので、是非、こんな話聞きたいな。これはどうなってんの?本編に無かったあのシーンは?と言うところがございましたら、言ってください。書きます。書かせてください!是非!
長くなりましたが、一章完結まで見てくださりありがとうございます。
まだまだ二章、三章と続く予定ですので、長々とお付き合いいただけるとありがたいです。
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