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「どうしたんだ、安藤?」
安藤は無言でゴールに向かってボールを放る。ゴールネットを通過する乾いた音、ボールが虚しくバウンドする音。いつもの西小のウザったい歓声は聞こえてこない。
「みんな習い事とか塾だってさ」
安藤の声ってこんな弱々しかったっけ。
「今日、お前ら使えよ。1人じゃつまんねーし。じゃあな」
「おい!安藤!」
「なんだよ」
「オレ達と一緒にやろうぜ!」
驚く安藤にオレはVサインをしてやる。
安藤は顔を歪ませて泣きそうな顔した後、鼻を人差し指で擦ると、とびきりいい笑顔をオレ達に見せた。
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