【短編】LUNATIC PARTY

8/8
前へ
/8ページ
次へ
 崇純さんは玲次に強引にグラスを持たせて、ビールを注ぎながら言葉を続ける。 「戯れるんなら、人気のないとこにしろ」 「崇純さん」 「こいつそんな色気ないですって」  玲次の切り返しも切り返し! 余計なお世話だ。 「んなこと言うなよ。俺の弟だぜ」 「けしかけないで下さいって」 「あ、真っ赤」  崇純さんは僕の顔を見てけらけら笑う。 「俺は孫の顔が見たいんだって」 「辻褄あってませんよ!」  酔客相手に何言っても無駄なんだけど。 「玲次、俺が許す」 「許さなくていいです!」  振り出しに戻る。  崇純さんの台詞はエンドレス。玲次もそろそろ笑って誤魔化すしかなくなって。 「好きにしていいぞ」 「良くないです!」  あと何時間かの楽しいパーティー。 玲次んち帰ったら、どのCD聴こうか?
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加